13時発の船に乗り込むことが出来た
思っていたよりも船は小さい。
乗客の大半は釣り客。
大きな荷物と高価そうな釣竿を持っている。
当初予定より3時間遅れで伊良湖岬港を出港する
船は、名古屋港・四日市港へ向かう船が通る「伊良湖水道航路」を直角に横切っていく
13時15分 神島に到着
一時は諦めかけた「山海荘(さんかいそう)」さんのの昼食 「タコ飯定食」1500円
美味しかった
残念ながら今は廃刊になっているが
『旅』という長い歴史を持つ雑誌があった。
三島由紀夫さんが生まれる一年前になる。
出版社はJTB(以前は「日本交通公社」)で、1957年(昭和32年)には松本清張さんの『点と線』と連載してる。
1989年(平成元年)に、雑誌『旅』の創刊750号記念シンポジウムが開催され、
そこで「日本の秘境100選」が発表された。
三重県で選出されたのは、ここ「神島」と「大台ケ原/大杉谷」の2箇所。
ちなみに、
関東地方では、千葉県と神奈川県
東海地方では、愛知県には、
百選に選ばれた秘境の地は無い。
「潮騒」が世に出たのは、敗戦から9年を経た1954年。
今から66年前のことになる。
三島由紀夫さんは、父のツテで水産庁に「パチンコ屋もバーも無い島」を紹介してもらい、前年の3月と8月に神島に滞在して取材を重ねた。
『潮騒』の作中、島の名前は「神島」ではなく「歌島」となっている。
父親が戦死し、海女の母親と弟の三人で暮らしている雇われ漁師の「久保新治」と
歌島の有力者宮田照吉の末娘「初江」が主人公。
現代ではあり得ないような純愛の話が始まる。
歌島は人口千四百、周囲一里に充たない小島である。
一人息子を病気で亡くした照吉は、養女に出していた末娘の初江を島に呼び戻した。
別の有力者の次男で弁の立つ「川本安夫」が初江の入り婿になるという噂が流れる。
或る晩、まだ島の地理に不慣れな初江は、灯台に行く途中道に迷ってしまい「監的哨」で泣いていた。そこへ保管した薪を取りに来た新治が現れ、初江を灯台まで案内する。
恋に不慣れな二人は次の約束もしていなかったが、
ある日、新治が大漁だった蛸漁の賃金の袋を落としてしまい、初江がそれを拾って新治の家に届けることで二回目の逢瀬が実現し、初めての口づけを交わす。
初江から「安夫が入り婿になるという噂は虚偽だ」と聞いた新治の心は一気に晴れた。
成績が悪くて中学卒業が危ぶまれた時、灯台長(灯台の責任者)の応援で卒業を認めてもらったことを感謝して、愚直な新治は絶えず灯台長に新鮮な魚を届けている。
二回目の逢瀬の翌日にも新治は虎魚二匹を持って灯台を訪れ、偶然にも、灯台長の奥さんに礼儀作法などを教えてもらっている初江も海鼠を土産に訪ねていた。
二人は、次の休漁の日の午後に「監的哨」で会う約束をする。
東京の大学に行っている灯台長の娘「千代子」が春休みで家に帰ってきた。千代子は新治に好意を抱いている。
そして長らく無かった暴風雨により休漁の日が訪れた。
強烈な暴風雨が吹き荒れる中、
新治は、初江が来ることが出来ないかもしれないとは全く思わず、早めに監的哨に行き、焚火に火をつけたまま眠り込んでしまった。
初江はずぶ濡れになって監的哨に来る。新治が眠っているの見て、服を脱いで焚火で乾かす。
新治は目を覚まし裸の少女に気づく。
恥ずかしがって逃げようとする初江に「どうすれば恥ずかしくなくなるのか?」と聞くと、「汝(うぬ)も裸になれ」と言われ、二人は焚火を挟んで裸になる。
初江は叫ぶ。「その火を飛び越して来い。その火を飛び越して来たら。」
二人は抱き合うも、初江は「今はいかん。私(わし)あんたの嫁さんになることに決めたもの。嫁さんになるまで、どうしてもいかんなア」と言い、二人は身体を離す。
監的哨からの帰り道、灯台付近で、新治に好意を寄せる千代子に姿を見られてしまう。
衝撃を受けた千代子は安夫にそのことを話してしまう。
安夫は焦り、初江が深夜に水汲み当番になった夜に初江を襲うが、安夫を襲う蜂のおかげで初江は逃れることが出来た。
しかし、新治と初江の噂が島内を駆け巡り、それを知った初江の父照吉は烈火のごとく怒り二人が会うことを絶対に許さない。
どうしても会えない二人は、新治の仲間を介して手紙をやり取りするが、それも照吉に気づかれてしまう。
このまま二人は無理やり別れさせられてしまうのか。。。