もう一つの横谷峡≪#3≫  ― 「二見滝(ふたみたき)」 ―

「白滝」から200m、5分ほどで「二見滝」に到着。

「二見滝」は落差9mの二段に分かれた滝。

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鋼製の階段を降りていく

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 「二見滝」もすぐ近くまで寄ることができそうな慎ましやかな滝だ

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もう一つの横谷峡≪#2≫  ― 「白滝(しらたき)」 ―

8月になりました。

 

 

通常は「道の駅かれん」でパンフレットを入手すればいいのですが、

開いているかどうか怪しいと思い、先ずはJR高山線「飛騨金山駅」を訪問。

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話は飛びますが、

井伏鱒二さんの代表作と言えば『山椒魚

頭が大きくなって住処の岩穴から出られなくなってしまった山椒魚の気持ちをユーモラスに表現した短編小説。

 

山椒魚は閉じ込められた腹いせに、

岩穴に入り込んだ蛙を、自らの身体で出口を塞ぎ岩穴の中に閉じ込める。

その閉じ込めた蛙とのやり取りが秀逸。

以前は、教科書の題材になり入学試験にも度々登場したらしいが、

今はどうなのでしょう。

 

 

飛騨金山の横谷峡の見所は、飛騨川の支流「馬瀬川」の支流「横谷川」にある4つの滝。

横谷川には天然記念物のオオサンショウウオが生息していて、白滝の近くに飼育池があるとのことだが場所がわからなかった。

 

 

 

四つの滝の規模は、川下から順に

「白滝(しらたき/落差17m)」

「二見滝(ふたみだき/落差9m)」

「紅葉滝(もみじだき/落差9m)」

鶏鳴滝(けいめいだき/落差33m)」

と慎ましやかで、静かな滝が連なっている。

普段の水量はそれほど多くなく、河川勾配もそれほど急では無いようだ。

今回の豪雨で大きな被害が出て無いことを祈ってます。

と書いているうちに、

7月31日、コロナウイルス感染拡大により岐阜県では非常事態宣言が出されました。

 

 

では、「白滝」から順に紹介していきます。

 

「道の駅かれん」は、予想通り開いていなかった。

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 「道の駅かれん」から馬瀬川を右手に見ながら、「白山神社」まで進む。

距離は1100m。徒歩で20分ほど。

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白山神社の手前を左折し、横谷川を左手に見ながら緩やかな坂道を登っていく。

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白山神社から白滝までの距離は800m。徒歩15分。

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最初の滝は「白滝」 落差7m

一筋の美しい流れが比較的静かに落ちている。

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NDフィルターを装着し、シャッタースピードを1/15秒で撮る

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上流から白滝をのぞむ

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7月29日にアクセス数が27000を越えていました。

進歩乏しいこのブログを訪問して下さる方々に、

あらためて厚く御礼申し上げます。

 

 

 

 

 

 


 

 

もう一つの横谷峡≪#1≫ ― 岐阜県「飛騨金山駅」近傍の滝たち ―

今年2020年の梅雨時の豪雨で、中部地方では下呂市高山市の間に位置する飛騨小坂付近が甚大な被害を受けている。

飛騨川およびその支川の流域で、国道41号が崩落したり土砂崩れ、浸水等の被害が出ている。

鉄道でもJR高山線が一部区間普通になっていたが、

関係者の努力により7/23には全線で再開した。

被害にあわれた皆さんに心よりお見舞い申し上げます。

 

 

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「横谷峡」というと、長野県の「御射鹿池」と隣接するメルヘン街道沿いのそれを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、

今回は

岐阜県高山線の「飛騨金山駅」近傍の「横谷峡」の幾つかの滝を紹介します。

 

今回の豪雨で、今は景色が一変しているかもしれないが

普段は、いずれも静かで身近な滝であろうと感じた。 

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レールの行先は? ≪#42≫人影も疎らな週末の始発駅 ― 江戸川乱歩さんの話を少し ―

当たり前の話だが、終着駅は始発駅でもある。 

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 (JR参宮線鳥羽駅」ホームから撮影)

 

  鳥羽は三重県を代表する観光地であるが、週末にも関わらず港も駅も閑散としている。新型コロナウィルスが脅威が早期に解消されることを心から願う。

 

 

 世界に大きな影響を与えた日本文化の一つに「浮世絵」が挙げられる。

現代であれば「漫画」と「コスプレ」であろう。

 漫画の熱心な読者とSNSは日本各地に「聖地」を作り上げているそうだ。

 例えば『鬼滅の刃』の場合では、主人公の名前に因んで太宰府の「竈門神社」が候補に挙がっているらしい。

 

 神島は小説『潮騒』だけでなく映画『潮騒』の聖地になっているが、

65年を経過した今ではその聖地を訪れる人も限られている。

三島さん没後50年の今年、多くの人に神島を訪れてもらいたいものだ。

 

鳥羽に縁のある作家というと、もう一人の隠れた異端の文豪がいる。

日本の推理小説・探偵小説・怪奇小説の原点ともいうべき江戸川乱歩さんである。

江戸川さんは日本推理作家協会の初代理事長を勤められているが、そのペンネームは同じ分野のアメリカでの先駆者エドガー・アラン・ポーに由来する。

そして、その名前は漫画『名探偵コナン』の江戸川コナンに引き継がれている。

江戸川乱歩さんの有名なシリーズ物が『怪人二十面相』であり、そこに明智小五郎と少年探偵団が登場している。

 

江戸川乱歩さん(本名「平井太郎」さん)は、三重県名張市の生まれで、その後、名古屋に移り愛知県立第五中学(現「愛知県立瑞陵高校」)から早稲田大学政治経済学部へ進学した。

小説家として生計を立てるまでに転職を繰り返していて、23歳頃に鳥羽造船所に勤務し、坂手島の小学校の教員をしていた奥さんと知り合った。

 

鳥羽を舞台とした小説としては『パノラマ島奇談』がある。

「I湾が太平洋に出ようとするM県S郡の南端にある小島」という書出しで始まるが、伊勢湾が太平洋に出ようとする銘建志摩郡の南端にある小島」と類推できる。

「T市(鳥羽市?)からモーターボートで1時間」という距離からすると「神島」辺りが該当することになるが、神島は無人島ではないので該当しない。

 

そのオドロオドロシイ内容は、「パノラマ島奇談 青空文庫」で探せば無料で読むことが出来るので、興味を覚えた方は見てください。

前回の記事の最後に「蜘蛛の巣」画像を掲載したが、『蜘蛛男』を書いた江戸川さんは蜘蛛が大の苦手だったとのことである。

 

 

 撮影直後、「快速みえ号」が入線してきた。

 

 

 

 

 

伊勢湾周遊《#9》  ― 12時間にわたる伊勢湾一周の旅が終わった ―

 釣り人が行きかう防波堤を見ながら、

15時50分、本日の最終便は鳥羽港に向け神島漁港を出航した。

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 「山海荘」のおかみさんの適切なアドバイスのおかげで

鳥羽行最終便で鳥羽佐田浜に辿り着くことが出来た。

 

 

鳥羽港では種々の船が停泊していた。
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鳥羽では列車の待ち時間に、駅の近くの居酒屋で海の幸を頬張りながらチョイといっぱい。

見事な岩ガキ。酒が旨い。

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週末だというに、鳥羽駅周辺は人も少なく、

飲食店も休業状態もしくは閉店時間を早めていた。

 

 

青空フリーパス」を使って「快速みえ号」に乗る。

自由席も空いている。

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朝7時に出発した金山駅に19時40分到着

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伊良湖岬~神島の船が減便欠航して

伊良湖岬で予定外の3時間を過ごしながらも

無事帰還。
 

 

【おまけ】

神島灯台に向かう道で大きな蜘蛛の巣に遭遇。

人の目には見えているのに、カメラでピントを合わせるのは難しい。

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鳥羽市の資料を見ていたら神島の人口の推移データがあった。

 

1857年(安政4年) 138世帯 593人 (明治維新の9年前)

1925年(大正14年) 169世帯 1029人 (三島さんが生まれた年)

1955年 (昭和30年)244世帯 1362人 (65年前『潮騒』の頃)

2020年 (令和2年5月末)157世帯 322人

 

今の人口は、『潮騒」が書かれた頃の1/4になってしまっている。

1955年には一世帯当たり5~6人だったのが、今では2人程度。

高齢者が二人で暮らす世帯が多いことを数字が物語っている。

 

伊勢湾周遊《#8》 「ニワ浜」と「カルスト地形」  

「監的哨」からカルスト地形、ニワの浜に向かって、急ぎ足で進む。

残された時間が少なくなってきた。

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 左手に海が見えてきた。

カルスト地形とニワ浜。その先には弁天岬が続いている。

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 画面右手から中央に向かって伸びているのが「弁天岬」 

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 時計台をスタートして、神島灯台、監的哨、カルスト地形、ニワの浜と見てきた。

通常なら2時間で回ることが出来るという神島周遊だが、

奇麗な景色に見とれカメラ撮影をしていると時間は思わぬ速さで過ぎてしまう。

ニワの浜の上にある東屋に着いた時点で15時20分を過ぎていた。

 

鳥羽行の最終便の出航まで残り30分足らず。乗船券も未購入である。

今いる地点は船乗り場のちょうど反対側。

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「山海荘」のおかみさんのアドバイスを思い出した。

「海辺を通らず通学路を通った方が速い」

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画面左下の階段を降り、学校の横を通って通学路を駆け出す。

走れメロス」!

 

  後方左手には「弁天岬」の反対側、古里浜側からの眺め

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ようやく神島漁港が見えてきた

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滑り込みで鳥羽行の最終便に間に合った。

鳥羽行の船は双胴船で立派な船だ。

 

 

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駆け足で廻った「神島」。

 

当初の予定とは異なり

八代神社」「古里の浜」「鏡岩」「八畳岩」「桂光院」を割愛してしてしまった。

 

写真を撮りながらとなると、4~5時間程度は欲しい。

 

船に乗り込む。

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立派な操舵室

 

 

 

伊勢湾周遊《#7》 「監的哨」  ― 物語はクライマックスへ ―

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「監的哨」とは・・・

こちらの説明が一番分かり易いと思う。

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その外観は

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暴風雨で休漁となった日

びしょ濡れになった二人が焚火を挟んで見つめあい

「その火を飛び越して来い。その火を飛び越してきたら」と初江が叫んだのは

この場所だったのだろうか。

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屋上に上がれば、伊勢湾から太平洋までが一望できる

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伊勢湾周遊《#6》 神島灯台(『潮騒』ネタバレ注意)へ続く道

昼食を済ませ「山海荘」を出たら、

おかみさんが時計台まで送ってくれて道順を教えてくれた。

神島の人は伊良湖岬へ行くことはほとんど無く、神島からの交通手段は圧倒的に鳥羽経由なんだそうだ。

確かに、神島は三重県鳥羽市に属する島だから当然か。

また、「ニワの浜からの帰り道は海縁を通るより学校への通学路を通った方が速いよ」と教えてもらった。

このアドバイスが二度目の危機を救うことになる。

 

画面右手の後ろ姿の女性がおかみさん。

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神島周遊のスタートは、画面左手奥の階段から始まる

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 当時は水道が無く、女性たちがこの洗濯場で少ない流水で洗濯をしていた。

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坂道の途中で振り返ると、神島港越しに海原が見える。

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当時の小学校の跡地が今は保育園になっている

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途中、ヤマアジサイや紫陽花に励まされながら、ひたすら坂道と階段を登る。

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頂上近くに来ると、「左側(海側)が崖注意」という標識が現れる

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そして、ところどころ草木の切れ目から午前中に散策した伊良湖岬が見えてくる

真横に行きかう船の通り道が「伊良湖水道」。

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更に桟道を越えていく

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そして灯台が目に入ってきた

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灯台から見た伊良湖水道と空

小説の当時にあった灯台長の家は、今はもうない。無人灯台である。

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小説『潮騒』この灯台で大団円を迎える。

新治と初江の恋は初江の父照吉の逆鱗に触れ、二人は会うこともままならず心を通わす手段は置手紙のやり取りだけになっていたが、それも照吉に見つかり完全に遮断されてしまう。

初江は父照吉に、新治との清い関係、安夫の暴行未遂事件を話すも照吉は聞く耳を持たない。

 

そうこうするうちに、

照吉は安夫と新治に、所有する船のうち沖縄に材木を運び帰りは屑鉄を運ぶ用船「歌島丸」の船員に ならないかと声をかける。この当時の沖縄は国外扱いであった。

 

安夫は確信を持って、

新治は微かな希望を持って船に乗り込む。

出航の時、安夫の見送りには初江を含む多くの人が来たが、新治の見送りは母親を含め数名のみであった。

しかし、初江は新治の母親を通じて新治に自分の写真を渡す。

 

沖縄に無事荷の材木を届け、帰り便の鉄屑を積んで出港したが、

猛烈な台風が襲い掛かり船は必死で沖縄に戻る。

港で、他の船の助けを得てブイにロープやワイヤで船を固定する。

 

風雨はますます激しさを増し、ついに一本のワイヤが切れてしまう。

船長は誰か命綱をブイに結びつける者はいないかと聞く。

新治は一瞬逡巡したことを恥じながら名乗りをあげる。命綱を腰に巻き付け荒波の海に飛び込んでブイを目指す。泳げども泳げども前にに進まずブイは永遠の向こうにあるように感じる。

 

それでも、歌島の周囲4周も泳ぐことが出来る新治は、何とかブイにたどり着き命綱を結んで再び荒波のなかに飛び込み船に戻った。

新治は船を遭難から救った。

初江は、自分の写真が新治を支えたと誇らしく思う。

 

千代子から、新治と初江のあらぬ噂を流したと聞いた灯台長の奥さんは、他の海女の応援も受け、

二人の中を認めるよう照吉に箴言する。

 

照吉は答える。

「男は気力や。新治は初江の婿になる男や。」

そして、小説のラストシーンは挨拶に訪れた灯台長から灯台の中を案内された灯りに照らされる二人の姿だった。

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伊勢湾周遊《#5》 ようやく神島へ(「潮騒」ネタバレ注意)  ― 待ってくれていた「タコ飯」定食 ― 

13時発の船に乗り込むことが出来た

思っていたよりも船は小さい。

 

乗客の大半は釣り客。

大きな荷物と高価そうな釣竿を持っている。

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当初予定より3時間遅れで伊良湖岬港を出港する

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船は、名古屋港・四日市港へ向かう船が通る「伊良湖水道航路」を直角に横切っていく

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13時15分 神島に到着

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一時は諦めかけた「山海荘(さんかいそう)」さんのの昼食 「タコ飯定食」1500円

美味しかった

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残念ながら今は廃刊になっているが

『旅』という長い歴史を持つ雑誌があった。

その歴史は古く創刊は1924年大正13年)4月。

三島由紀夫さんが生まれる一年前になる。

 

出版社はJTB(以前は「日本交通公社」)で、1957年(昭和32年)には松本清張さんの『点と線』と連載してる。

 

1989年(平成元年)に、雑誌『旅』の創刊750号記念シンポジウムが開催され、

そこで「日本の秘境100選」が発表された。

 

三重県で選出されたのは、ここ「神島」と「大台ケ原/大杉谷」の2箇所。

ちなみに、

関東地方では、千葉県と神奈川県

東海地方では、愛知県には、

百選に選ばれた秘境の地は無い。

 

潮騒」が世に出たのは、敗戦から9年を経た1954年。

今から66年前のことになる。

三島由紀夫さんは、父のツテで水産庁に「パチンコ屋もバーも無い島」を紹介してもらい、前年の3月と8月に神島に滞在して取材を重ねた。

潮騒』の作中、島の名前は「神島」ではなく「歌島」となっている。

 

父親が戦死し、海女の母親と弟の三人で暮らしている雇われ漁師の「久保新治」と

歌島の有力者宮田照吉の末娘「初江」が主人公。

 

現代ではあり得ないような純愛の話が始まる。

歌島は人口千四百、周囲一里に充たない小島である。

一人息子を病気で亡くした照吉は、養女に出していた末娘の初江を島に呼び戻した。

別の有力者の次男で弁の立つ「川本安夫」が初江の入り婿になるという噂が流れる。

 

或る晩、まだ島の地理に不慣れな初江は、灯台に行く途中道に迷ってしまい「監的哨」で泣いていた。そこへ保管した薪を取りに来た新治が現れ、初江を灯台まで案内する。

恋に不慣れな二人は次の約束もしていなかったが、

ある日、新治が大漁だった蛸漁の賃金の袋を落としてしまい、初江がそれを拾って新治の家に届けることで二回目の逢瀬が実現し、初めての口づけを交わす。

初江から「安夫が入り婿になるという噂は虚偽だ」と聞いた新治の心は一気に晴れた。

成績が悪くて中学卒業が危ぶまれた時、灯台長(灯台の責任者)の応援で卒業を認めてもらったことを感謝して、愚直な新治は絶えず灯台長に新鮮な魚を届けている。

二回目の逢瀬の翌日にも新治は虎魚二匹を持って灯台を訪れ、偶然にも、灯台長の奥さんに礼儀作法などを教えてもらっている初江も海鼠を土産に訪ねていた。

二人は、次の休漁の日の午後に「監的哨」で会う約束をする。

 

東京の大学に行っている灯台長の娘「千代子」が春休みで家に帰ってきた。千代子は新治に好意を抱いている。

そして長らく無かった暴風雨により休漁の日が訪れた。

強烈な暴風雨が吹き荒れる中、

新治は、初江が来ることが出来ないかもしれないとは全く思わず、早めに監的哨に行き、焚火に火をつけたまま眠り込んでしまった。

 

初江はずぶ濡れになって監的哨に来る。新治が眠っているの見て、服を脱いで焚火で乾かす。

新治は目を覚まし裸の少女に気づく。

恥ずかしがって逃げようとする初江に「どうすれば恥ずかしくなくなるのか?」と聞くと、「汝(うぬ)も裸になれ」と言われ、二人は焚火を挟んで裸になる。

初江は叫ぶ。「その火を飛び越して来い。その火を飛び越して来たら。」

二人は抱き合うも、初江は「今はいかん。私(わし)あんたの嫁さんになることに決めたもの。嫁さんになるまで、どうしてもいかんなア」と言い、二人は身体を離す。

 

 監的哨からの帰り道、灯台付近で、新治に好意を寄せる千代子に姿を見られてしまう。

衝撃を受けた千代子は安夫にそのことを話してしまう。

安夫は焦り、初江が深夜に水汲み当番になった夜に初江を襲うが、安夫を襲う蜂のおかげで初江は逃れることが出来た。

 

しかし、新治と初江の噂が島内を駆け巡り、それを知った初江の父照吉は烈火のごとく怒り二人が会うことを絶対に許さない。

どうしても会えない二人は、新治の仲間を介して手紙をやり取りするが、それも照吉に気づかれてしまう。

このまま二人は無理やり別れさせられてしまうのか。。。