小さな旅、美しい風景、写真 そして温泉と銭湯

"Japan, short trips and landscapes" "Japon,

将棋「#JTプロ公式戦」と夜の「#中部国際空港」≪#1≫  ―藤井聡太七冠 対 広瀬九段 ―

将棋は中年より上のおっさんが見るもの

という通念をかえたのが「藤井聡太七冠(竜王名人)」

藤井さんは先日伊藤功新叡王に敗れるまで将棋の八タイトルを独占していました

藤井さんには驚くほどたくさんの女性ファンがいます

 

一般人がプロの将棋公式戦を生で見る機会は極々限られています

 

将棋公式戦には八つのタイトル戦と四つの一般棋戦があります

タイトル戦は、竜王、名人、王将、棋聖、王位、棋王、王座、叡王の八つ

一般棋戦は、朝日杯、JT杯、NHK杯銀河戦の四つです

 

多くの人の前で対局する「公開対局」となっているのが

朝日杯将棋オープン戦」と「JTプロ公式戦」の二つです

事前に申し込んで抽選に当たれば間近でプロの将棋を見ることが出来ます

そして、多くの女性が藤井さんの対局観戦抽選の申し込みをするようになっています

 

管理人は、以前に「朝日杯将棋オープン戦」の準々決勝と準決勝を見る機会がありました

martintan.hatenablog.com

 

今回は、

中部国際空港に隣接する「愛知国際展示場(Sky Expo)」のD会場で開催された「JTプロ公式戦」の準決勝第2戦の

「藤井七冠対広瀬九段」の対局観戦を申込み当選

強い風が吹く中行ってきました

結果は、広瀬九段が勝ち藤井七冠が敗れました

 

撮影については、

席からであれば撮影可能ということでしたので

何枚か対局中の写真を撮ってきました

 

藤井七冠が投了し、終局しました


管理人も藤井七冠のファンですが、

対局途中での封じ手予想も優勝者予想も外れ

広瀬九段には申し訳ないですが、対局も残念な結果に終わりました。

 

帰途、中部国際空港のデッキから夜間飛行の飛行機を撮影して帰りました

この日は強烈な風が吹いていましたが

頑丈で重そうな三脚に大きな一眼カメラを据えて

夜間飛行の飛行機と空港を撮影しているカメラマンが数人いました

こちらはマイクロフォーサーズカメラ手持ち撮影です

 

 


最後に。

観戦中はどちらが優勢なのか知る術もありませんが、

83手目、広瀬九段が6一竜と指したあたりから

流れは広瀬九段に傾いているかなと思っていました。

その後の局面で、藤井七冠は

鋭い攻め手の連続で広瀬九段の王を追い詰めていましたが、

短い持ち時間の中、広瀬九段は的確に受け止め、最後は攻め切って

藤井七冠を投了に追い込みました。

 

藤井七冠は、羽生名誉七冠同様に、藤井マジックと呼ばれる

逆転劇を何度も起こしています。

 

対局後の話では、やはり途中で藤井七冠が逆転した場面もあったようです

それが、藤井七冠の6八飛車打つに対し

102手目広瀬九段が5八香打つと受けた局面だったそうです

ここで、藤井七冠が最善手を指していれば

新たな藤井マジック逆転伝説が生まれたかもしれません。

 

藤井七冠は不利な状況では

AIが示す最善手ではなく

相手が優勢を保てる手が一つか二つしかない局面に導き

頭脳がオーバーヒートしそうになるほど相手に考えさせるのかもしれません。

 

それはあたかも

険しい山の尾根道を踏んでいけば登頂可能な状況でも

尾根道はあまりにも細く険しく長く

一歩踏み間違えれば滑落してしまう

登山者は強度の緊張を長時間強いられ

疲労困憊になってしまうようなものかもしれません。

或いは、暴風雨のなか登頂を強いられるかのような・・・

 

2019年度第69期王将戦挑戦者決定リーグで

藤井七段(当時)と広瀬竜王(当時)は共に4勝1敗で最終戦で対局

藤井七段が優勢のまま終盤を迎えましたが

広瀬竜王の巧妙な罠に陥り大逆転をくらいました。

そうして広瀬九段は渡辺王将(当時)への挑戦権を獲得しました。

 

この対局で敗れたことで、藤井さんは

その後のタイトル保持者、高段者との将棋の恐ろしさを知るとともに

AIの最善手とは異なる人間相手の対局の妙味を会得したような気がします。

 

中盤以降で

AIの示す指し手の評価が一つの手だけ高く他の手は全て低いという状況が続くとき

対局者はその一つだけの正解手を選び続けなければ逆転されてしまいます。

中盤、中盤に強い棋士は、そうした局面へ持ち込むのが上手いのかもしれません。

 

アベマTVの将棋中継で

右側にAIが予想する次の一手が示されています

その時、一手だけが▲0%他の手は▲数十%と評価されている時があります

こんな局面での対局者は脳を使いすぎてオーバーヒートしそうになりながら指し手を選んでいます

その様子は深淵なドラマを観ているような気がします