「スグキテクレ。タノム。サクライセン、オビトケノ、クズノヤニイル。コノコト、チチハハニハ、ゼッタイシラスナ。マツガエ、キヨアキ」
(「春の雪」をまだ読んでいない方は、ここから先へは進まないでください。
ネタバレが含まれています。)
主人公の松枝清顕は
大正4年2月22日から
帯解(おびとけ)駅前の商人宿に泊まり、
剃髪した綾倉聡子に会うべく
雪降る中を月修寺の山門に通い詰める。
2月26日、熱に浮かされ崩れ落ちそうになりながら最後の訪問をするも
聡子に会うことは許されず虚しく宿に引き返した。
冒頭は
急激に病に侵されていくなか
友人の本多繁明に打った電報文です。
今は無人駅になっています。
帯解駅から圓照寺山門までは約2㎞。
数日後、清顕は夢日記を本多に託し
20歳で短い人生を全うします。
夢日記と左脇の三つの黒子を基軸に
新たな輪廻転生が始まり
物語は進んでいきます。
こんな電報の文章を思い出しながら
目指すは「月修寺」のモデルとされる「圓照寺」。
ここは一般公開をしていない尼寺。
静寂が全てを支配しています。
宮様の許嫁となった綾倉聡子は
幼馴染の松枝清顕から無理を迫られ
密会を重ねた末に妊娠したが、
隠密裏に堕胎させられた後
剃髪して仏門に入ることを許され
月修寺の尼僧となります。
月修寺は
「豊穣の海」の最終編『天人五衰』の
ラストシーンにも登場する物語の鍵となる場所です。
映画「春の雪」で綾倉聡子を演じた主演女優「竹内結子」さんの
御逝去を悼みご冥福を心よりお祈り申し上げます。
また、
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