白駒池の名前の由来については諸説ある。
中山峠に一人の長者と美しい娘が、旅人を助けながら暮らしていた。
ところが、ある日、長者が病に倒れ
その後病状は悪化するばかり。
娘は為す術もなく毎日泣きくれていた。
ある夜、家の戸を叩く音に
娘が目を覚まして出てみると
文(手紙)を咥えた白い馬がいた。
「私は女神です。泣き悲しむ貴女を助けに来ました。
お父さんを黄色い花咲く場所に連れていって、そこで暮らしなさい。お父さんは元気になります。
でも、二度とここに戻ってはなりませぬ。」
娘は白馬に乗って方々を探し回り、
硫黄の黄色い花咲く場所を見つけた。
長者を連れて行ったところ、みるみる元気を回復し
娘は笑顔を取り戻した。
ところが、
ある日、娘は里心をおこし昔の家を訪ねてしまう。
すると、白馬が現れ、
娘を乗せ山をかけ登り
娘を乗せたまま
木々に囲まれた池に飛び込んでしまった。
それ以来、その池は「白駒の池」と呼ばれるようになった。
↑ 池の対岸に見える建物が白駒荘
別の説によれば
若い男女が恋におちた。
ところが、これに反対する父親は、
二人の仲を裂こうと
男を強引に深い山奥へ追いやってしまった。
悲しむ娘は、男の後を追って山へ入って行くが
途中で迷ってしまう。
そこに一頭の白馬が現れ、迷った娘を池に導いた。
「男はこの池にいる。」と聞いた娘は
白馬と共に池の中に入っていった。
↑ 湖から見た青苔荘へ続く道
↑ 岩の右に、保護色を纏った鳥