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節分(その1) -恵方と日本のハロウィン「節分お化け」― 

2月の最初の行事は節分

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            ↑ 大須観音の赤鬼と青鬼

 

「福は~ うち」

「鬼は~ そと」

と言いながら、豆を投げ

年齢の数だけ豆を食べる

 

それが2月3日の節分の行事

と、ず~っとそう思っていた。

 

恵方巻き」と呼ばれる巻き寿司を一本丸ごと食べる風習は

関西から始まったそこそこ新しい行事のようで

以前はそういう風習があることを知らなかった。

今では「豆まき」より一般的になっているかもしれないが

他方で、鮨屋、スーパー、コンビニ等に踊らされている感もぬぐえない。

 

 

節分は陰陽道起源の行事で、かなり曖昧な点も含め

ハロウィンと類似するところもあるようだ。

 

節分の前日2月2日に、友人達と久しぶりに名古屋の繁華街で食事をしたところ

以前は名古屋でも有数の格式高いクラブに勤めていた女将から

「節分の前日の夜は、閉店後に仮装して恵方の観音様にお参りに行ったものよ」

男性が女装したり、女性が男装したり、

お年寄りが舞妓さんとか若い女性の格好をしたり、

若い女の子が芸妓さんとか年頃の女性の格好をしたりする

『節分お化け』と言って

様々な格好に化けて鬼を惑わす風習があるの」と聞いて、

「節分お化け」という行事があるのを初めて知った。

 

「節分お化け」は、京都を中心に江戸時代末期から盛んであったらしい。

京都花街、大阪新地、東京四谷・浅草、名古屋錦三など

花街がメインの行事のようだ

obake23.com

 ↑ この写真を見てると、まさに

「節分お化け祭」は和装ハロウィン!という気がしてくる^^

 

キリスト教は本来一神教で、他の宗教に対しては相当攻撃的・排他的である

にもかかわらず

古代ケルト人の宗教的行事が起源のハロウィンは

特に合衆国において民間行事として定着している。

 

 

1994年に公開された

クリント・イーストウッド監督、ケビン・コスナー主演の

アメリカの映画「パーフェクトワールド」は

誘拐犯と誘拐された子供の心がいつしか通じ合い一緒に逃走を続けるが

逃走途中で黒人家族を脅す誘拐犯を子供が銃で撃ってしまう。

最後は傷ついた誘拐犯がFBIに射殺されるという不思議なストーリーの映画だが、

その中で

誘拐された子供が「うちはエホバの証人だからハロウィンが出来ないことが悲しい」

と言っていたのが妙に印象に残っている。

 

もう一つは、1992年のハロウィンの日に

日本から合衆国に留学していた愛知県の高校生が

友達と一緒に  "trick or treat! "と言って一般家庭を訪ねたら

" freeze!" と言われた後に銃で撃たれて亡くなった事件が

脳裏に強烈に残っている。

間違いなく将来を嘱望された子供だっただけに

ご両親・ご家族の心中は察するに余りある。

存命されていたなら、現在は43歳前後の働き盛りになる。

  

日本では、クリスマスに次いでバレンタインデーと肩を並べるほど

広まりつつある行事になっている。

子供より年上の世代が中心になっており

日本と古代ケルト人の宗教的行事との関連も全く無いと思われるが

「節分お化け」同様、ハロウィンで「化けること」「大勢で騒ぐこと」が

日本の祭りの原点に共鳴しているのかもしれない。

 

続編「節分(その2)」では 

今年の恵方の方向になる笠寺観音

名古屋の中心的存在である大須観音の特異な豆まき

薪で湯を沸かしている街なかの銭湯「仁王門湯」を紹介したい。