東山魁夷「緑響く」とモーツァルトピアノ協奏曲 ―御射鹿池―(その2)

東京富士美術館で「緑響く」を見てきた。

http://www.fujibi.or.jp/assets/tfam/files/pdf_exhibit/3201801021_1.pdf

 

http://www.fujibi.or.jp/assets/tfam/files/pdf_worklist/3201801021_1.pdf

 

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開館時間の少し前に東京富士美術館前に到着。

既に入り口の前で待っている人達がいる

期待がつのる。

 

美術書で見る絵と現物の絵は、当然違う。

色調、筆使いを再現しきれないのは当然として

現物を見て感じるのは絵の大きさだ。

美術書では絵の大きさがわからない。

 

また、現地を知っている場合、

画家が現地のどの位置から見た風景を描いたのか

どの範囲を切り取ったものなのか

更には、現実の風景からから何を除き

或いは何を加えたのかを知ることが出来る。

 

 写真撮影の技術を身に着けると同時に、

優れた絵画や写真を見ることにより

撮りたい対象を抽出し、空間をどのように切り取っているのかも

勉強していきたい。

 

 

 「緑響く」の説明に、東山画伯のこんな言葉がある。

「一頭の白い馬が緑の樹々に覆われた山裾の池畔に現れ、

画面を右から左へと歩いて消え去った。— そんな空想が私の心の中に浮かんだ。

私はその時、なんとなく

モーツァルトピアノ協奏曲第二楽章の旋律が響いているのを感じた。」

 

鏡のような水面に映った緑の樹々

水辺は半分より少し下に位置している

上辺まで樹々が占めていて空は見えない

現実の風景に加えられたのは、水辺の右端に描かれた白い馬

 

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   ↑ 2017年10月早朝の御射鹿池

 

 

 

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   ↑ 今日は白馬ではなく 水鳥達が・・・

 

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   ↑ 朝日に照らされた 御射鹿池

 

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  ↑ 早くも秋の雲

 

 

御射鹿池を見た画伯が連想したのは

 モーツァルトのピアノ協奏曲のうち 23番イ長調  k.488の第二楽章

そして

「白い馬はピアノの旋律で、木々の繁る背景はオーケストラです」と。

 

音楽から絵画や写真に対しどのようにインスパイアするのか

或いは逆に、絵画や写真からどんな音楽を想像するのか。。。

芸術の世界は深いですね。

 

 

東山魁夷の絵には白馬が登場するケースが多いと思い込んでいたが

実は、1972年(昭和47年)に集中していることを

初めて知った。

この時、東山画伯64歳。

 

今回、展示されていた「緑響く」は

1982年にパリ展覧会に出展するために描かれたもので

1972年制作のものより大きいらしい。

最初に描かれた「緑響く」も見たかった。

 

東山画伯の絶筆作「夕星」は90歳の時。

その創作意欲と才能に、ただただ感服。

 

他方、モーツァルトが亡くなったのは35歳の時。

彼が稀有な天才であることに異を唱える人はいないだろう。

 

 

モーツァルトの作品は、ケッヘルさんが制作時期の順に番号をつけており

最後の作品は、「レクイエム k.626」

ケッヘル番号を25で割って10を加えると

その作品を作った時のモーツァルトの年齢になるのだそうだ。

即ち、最初の作品は10歳の時。

ピアノ協奏曲23番はk.488だから30歳の時。

正しいかな?

 

しかしながら、本物の絵を見る時は

ただただ感動し楽しみたいと思う。

目の前に美しい風景が現れたときのように。

 

 

 

この日は、御射鹿池を見た後

急傾斜の道を登り下り、息を切らして

横谷渓谷の滝を訪れた。

続編のマイナスイオン満載の記事は、近いうちにまた。

 

 

最後に。

この日、

出口近くの記念品販売所では

最も人気があると思われる「緑響く」の模写や記念品が

不思議にも殆どなかった。

東山魁夷展が始まった早い時期に売り切れてしまったらしい。